1996年9月9日、東京都葛飾区柴又3丁目で、当時21歳の女子大学生が刃物で殺害され、自宅が放火される事件が発生しました。事件から30年を迎えた2026年10月現在も、犯人の逮捕には至っていません。警視庁は公開捜査を続け、事件解決につながる情報を求めています。
警視庁の正式な事件名は「柴又三丁目女子大生殺人 放火事件」です。現場に残された血痕やガムテープ、犯行時間帯に目撃された不審な男など、捜査で明らかになっている手掛かりは複数あります。さらに、2026年9月には捜査特別報奨金制度の対象事件として新たな懸賞広告が公示されました。事件の経緯、未解決の理由、犯人逮捕につながる情報、現在の懸賞金制度について、警視庁と警察庁の公開資料を中心に整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 事件の概要:1996年9月9日、東京都葛飾区柴又3丁目で21歳の女子大学生が殺害され、自宅が放火された未解決事件。
- 2026年最新の捜査状況:事件発生から30年が経過した現在も犯人の特定・検挙には至っておらず、警視庁が情報提供を呼びかけている。
- 懸賞金:公的な捜査特別報奨金の上限は300万円。民間の謝礼金500万円と合わせ、上限額は最大800万円。
【事件の経緯】1996年9月9日、柴又の住宅で何が起きたのか
柴又女子大生放火殺人事件が発生したのは、1996年(平成8年)9月9日月曜日です。警視庁の公開資料によると、被害者の母親が外出した午後3時50分ごろから、119番通報があった午後4時39分までの間に、葛飾区柴又3丁目にある住宅の2階で女子大学生が刃物で殺害され、自宅に火を放たれました。
被害者は当時21歳で、英語学科4年に在籍していた女子大学生です。報道では、上智大学4年の小林順子さんとされています。事件当日は朝から雨が降り続き、肌寒い天候だったことも警視庁の資料に記録されています。
事件の特徴は、殺人だけでなく、被害者の自宅に放火する行為が伴っていたことです。現場には凶器と推定される小型の刃物に関する情報や、犯人が使用したとみられるガムテープ、血痕などが残されていました。それでも、捜査に結び付く決定的な情報は得られず、長期未解決事件となっています。
事件を時系列で整理すると、次のようになります。
時系列のうち、重要なのは、事件発生前後に現場近くでコート姿の男が目撃されている点です。ただし、目撃された人物が犯人であると確定したわけではありません。警視庁は時間、場所、服装などから2件の目撃情報が同一人物に関する可能性が高いとみて、情報を募っています。
【正式名称と事件現場】警視庁が公開する事件情報の全体像
一般には「柴又女子大生放火殺人事件」という名称で知られていますが、警視庁の事件ページに掲載されている名称は「柴又三丁目女子大生殺人 放火事件」です。警察庁の懸賞広告では「柴又三丁目女子大生殺人放火事件」と表記されています。表記に違いはありますが、いずれも1996年9月9日に発生した同じ事件を指しています。
現場は東京都葛飾区柴又3丁目の一般住宅です。警視庁の公開資料によると、京成金町線の柴又駅から北西約250メートル、JR金町駅から南約1,300メートルの位置にありました。観光地として知られる柴又帝釈天などの周辺とは異なり、現場付近は当時から比較的静かな住宅街だったと説明されています。
事件の捜査を担当するのは、警視庁亀有警察署の「柴又三丁目女子大生殺人 放火事件特別捜査本部」です。警視庁の公開捜査ページには事件の概要だけでなく、凶器の特徴、ガムテープに関する情報、不審者の目撃状況、懸賞金の条件などが掲載されています。
この事件を調べる際には、一般的な事件名だけでなく、警視庁の正式名称で検索することが有効です。事件の経緯や捜査状況を確認する場合は、警視庁の事件ページと警察庁の懸賞広告を照らし合わせることで、捜査上の手掛かりと制度上の情報を区別できます。
【犯人逮捕は?】2026年最新の捜査状況と公開された手掛かり
2026年10月26日時点で、柴又女子大生放火殺人事件について、犯人の特定・検挙に至ったとの公表は確認できません。警視庁は2026年9月9日付で事件ページを更新し、不審者の目撃情報などを掲載するとともに、情報提供を呼びかけています。
2026年9月17日付の日刊警察の報道によると、警視庁に寄せられた情報は同年8月末までに累計1,834件でした。このうち2026年1月から8月までの情報は27件です。同報道では、これまでに投入された捜査員が延べ12万2,520人に上ることも伝えられています。
30年にわたり捜査が続けられてきた一方で、犯人の特定・検挙には至っていません。情報提供件数や捜査員数の多さは、捜査が長期間続いていることを示しますが、それ自体が事件解決の近さを意味するわけではありません。
警視庁が現在も公開している主な手掛かりは、次の3点です。
- 血痕:犯人は男性で、犯行当時に何らかのけがを負って出血していたとされ、血液型はA型と公表されている。
- ガムテープ:事件に使用された布粘着テープについて、製造時期や販売状況、粘着面に付着した物質などの情報が公開されている。
- 不審な男:事件当日の午後3時30分ごろと午後3時55分ごろ、現場付近でコート姿の男が目撃されている。
とりわけ、不審な男の目撃情報は、警視庁が2026年9月9日付で更新した専用ページにも詳しく掲載されています。捜査状況を追う際には、古い報道だけでなく、こうした公開資料の更新日にも注目する必要があります。
【犯人が残した手掛かり】血痕・ガムテープ・不審者の特徴
柴又三丁目女子大生殺人放火事件では、犯人につながる可能性がある複数の物的・目撃情報が公開されています。ただし、個々の手掛かりが存在することと、犯人の身元が判明していることは別です。以下では、警視庁が公表している内容を整理します。
1.血痕から判明した犯人の特徴
警視庁は、犯人が男性であり、犯行当時に何らかのけがを負って出血していたこと、血液型がA型であることを公表しています。事件現場に残された血痕は捜査上の重要な手掛かりですが、血液型だけで特定の人物を犯人と判断することはできません。
2.使用されたガムテープ
事件に使用されたガムテープは、静岡県内の工場で1994年1月以降に製造されたものとされています。警視庁の資料によると、幅50ミリメートル、長さ25メートルの布粘着テープで、当時の価格は1巻700〜800円でした。梱包業者などへの納入のほか、ホームセンターや文具店でも購入できる製品だったと説明されています。
また、粘着面には植物片、木片、犬の毛などが付着していたことが判明しています。警視庁は、これらの付着物について、犯人が衣服などを通して外部から持ち込んだ可能性を示しています。ただし、付着物の情報だけで犯人の居住地や職業などが確定したわけではありません。
3.コート姿の不審な男
警視庁が公開する目撃情報は2件あります。1件目は午後3時30分ごろ、現場南側の交差点付近で黒い傘を差して立つ男を目撃したというものです。男は身長150〜160センチほどのやせ型で、黄土色に近い襟付きのコートと黒っぽいズボンを着用していたとされています。
2件目は午後3時55分ごろ、現場の玄関前に傘を差さずに立ち、表札または2階部分を見つめていた男についての目撃情報です。身長は約160センチで、黄土色に近いコートまたはレインコート、黒っぽいズボンを着用していたとされています。
警視庁は、時間や場所、服装などから、この2件の目撃情報が同一人物に関する可能性が高いとしています。ただし、これは目撃情報の関連性についての捜査上の見立てであり、目撃された男が犯人だと確定したことを意味しません。
【未解決の理由と真相】30年経っても犯人逮捕に至らない背景
柴又女子大生放火殺人事件の未解決の理由について、警察が単一の原因を公式に断定しているわけではありません。一方、公開された捜査情報からは、手掛かりが存在していても、それらを特定の人物に結び付け、犯人の特定・検挙に至るだけの裏付けを得ることが難しいという課題が読み取れます。
血液型だけでは個人を特定できないという点は、その一例です。A型という情報は犯人像を絞るための手掛かりですが、特定の人物を指し示すものではありません。血痕の情報を個人の特定につなげるには、ほかの証拠や捜査情報との照合が必要になります。
ガムテープについても、製造時期や流通経路が分かっている一方、警視庁は全国に広く流通し、複数の経路で購入できる製品だったと説明しています。製造された工場が判明していることと、購入者や使用者が判明していることは同じではありません。
目撃情報にも限界があります。服装や身長などの特徴は公開されていますが、顔立ちや年齢などははっきりしていないとされています。目撃された人物を特定し、さらに事件との関係を裏付けるには、別の情報との照合が必要です。
また、事件から30年が経過したことで、当時の記憶を持つ人が高齢になったり、転居や転職などによって事件との接点が見えにくくなったりしている可能性があります。警視庁が、当時学生だった人々にも情報提供を呼びかけているのは、事件当時の記憶が捜査の糸口になる可能性があるためです。
重要なのは、未解決であることを理由に、特定の人物や集団を犯人と決めつけないことです。ネット上の推測や匿名投稿だけでは、犯人の身元も動機も確定できません。事件の真相を明らかにするには、公開された手掛かりを、検証可能な証拠や具体的な情報と結び付ける必要があります。
【公的懸賞金制度】2026年の報奨金は最大800万円
柴又女子大生放火殺人事件は、警察庁の「捜査特別報奨金制度」の対象事件です。2026年9月9日付の警察庁の懸賞広告では、被疑者の検挙または事件解決につながる情報を提供した人に対し、上限300万円の捜査特別報奨金を支払うとしています。
これとは別に、「小林順子さん殺人事件の捜査に協力する会」による民間の謝礼金が設けられており、その上限額は500万円です。したがって、公的な報奨金と民間の謝礼金を合わせた上限額は最大800万円となります。
2026年度の募集期間は、2026年9月9日から2027年9月8日までです。警察庁の広告では、情報提供者が複数いる場合、検挙などへの寄与の度合いに応じて上限額の範囲内で分割して支払うことも定められています。情報を提供すれば必ず上限額を受け取れる制度ではありません。
また、匿名などの理由で個人を特定できない人、警察職員、被疑者本人や共犯者など、制度上の除外事由に該当する人は支払いの対象外となります。報奨金の条件や期間は変更される可能性があるため、実際に情報を提供する場合は、警察庁および警視庁の最新の公示内容を確認することが必要です。
情報提供先は、警視庁亀有警察署「柴又三丁目女子大生殺人 放火事件特別捜査本部」です。問い合わせ先として、亀有警察署の代表電話03-3607-0110が案内されています。
【プロの結論】事件情報を見極めるために押さえたい3つの判断基準
柴又女子大生放火殺人事件について、ネット上で情報を調べる際には、次の3つの基準を押さえることが重要です。
第一に、警察が公表した事実と、第三者の推測を分けること。血液型、ガムテープの特徴、不審者の服装や目撃時刻などは、警視庁が公開している捜査情報です。一方、犯人の動機や身元、被害者との関係などについて、公式に確定していない情報を事実として扱うことはできません。
第二に、情報の新しさを確認すること。事件発生当時の報道や過去の特集記事には、当時の捜査状況が記されています。しかし、2026年現在の懸賞金の条件や情報提供期間を知りたい場合は、2026年9月に更新された警視庁の事件ページや警察庁の懸賞広告を優先して確認する必要があります。
第三に、情報提供では具体性を重視すること。警視庁は、事件当日や前後に現場付近で見かけた不審な人物・車両、当時けがをしていた人物、事件前後に突然転居したり仕事を休んだりした人物などに関する情報を求めています。何らかの心当たりがある場合は、ネット上で人物名を拡散するのではなく、捜査本部に直接伝えることが適切です。
この事件の捜査において重要なのは、手掛かりの数だけではありません。個々の情報がどのように結び付き、事件との関係を裏付けるのかという点です。長期間未解決の事件だからこそ、根拠のある情報を正確に伝えることが、真相解明につながる可能性を持っています。
【柴又女子大生放火殺人事件】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:柴又女子大生放火殺人事件の犯人は逮捕されましたか? A1:2026年10月26日時点で、犯人の特定・検挙に至ったとの公表は確認できません。警視庁は公開捜査を継続し、事件解決につながる情報を求めています。
Q2:柴又三丁目女子大生殺人放火事件の公的懸賞金はいくらですか? A2:2026年9月9日付の警察庁の懸賞広告では、捜査特別報奨金の上限は300万円です。民間の謝礼金500万円と合わせると、上限額は最大800万円です。報奨金は情報提供の寄与度などに応じて決定され、必ず満額が支払われるわけではありません。
Q3:柴又女子大生放火殺人事件では、どのような情報が求められていますか? A3:警視庁は、事件当日や前後に現場付近で見かけた不審な男や車、当時けがをしていた人物、事件前後に突然転居したり仕事を休んだりした人物などに関する情報を求めています。過去の記憶や当時の写真などから心当たりがある場合は、亀有警察署の特別捜査本部へ問い合わせることができます。
まとめ:30年が経過した今も、事件解決につながる情報を募集中
柴又女子大生放火殺人事件は、1996年9月9日に東京都葛飾区柴又3丁目で発生した殺人・放火事件です。警視庁の正式名称は「柴又三丁目女子大生殺人 放火事件」で、2026年10月現在も犯人の特定・検挙には至っていません。
警視庁が公表する主な手掛かりには、A型の血痕、事件に使用されたガムテープ、犯行時間帯に目撃されたコート姿の男などがあります。2026年9月には事件発生から30年を迎え、警察庁は捜査特別報奨金の懸賞広告を公示しました。公的報奨金と民間の謝礼金を合わせた上限額は最大800万円です。
長期未解決事件の真相に迫るために必要なのは、根拠のない犯人探しではなく、確認できる事実と具体的な情報を積み重ねることです。事件当時の記憶や心当たりがある人にとって、警視庁への情報提供は、30年にわたり続く捜査に協力する一つの方法となります。