元大関・朝乃山の不祥事とは、2021年5月に発覚した新型コロナウイルス対策ガイドライン違反と、日本相撲協会への虚偽報告をめぐる問題です。キャバクラ通いが報じられ、当初は事実関無いと否定したものの、その後に事実を認め、6場所出場停止という重い懲戒処分を受けました。大関から陥落しただけでなく、番付は三段目まで下がり、力士人生を大きく揺るがす事態となりました。
しかし、朝乃山は土俵に戻り、2025年には三段目優勝と十両での連続12勝3敗を記録。2026年9月場所では10勝5敗を挙げ、同年11月の九州場所では東前頭筆頭まで番付を戻しています。日本相撲協会の公式記録と報道各社の取材内容をもとに、不祥事の経緯、処分の背景、大関陥落の理由、復帰後の成績、そして2026年現在の評価までを時系列で整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 不祥事の核心:2021年、コロナ禍の外出規制中にキャバクラへ通い、協会の聞き取りに当初は事実を否定したことが問題を深刻化させた。
- 処分と転落:6場所出場停止と報酬減額の懲戒処分を受け、大関から陥落。2022年7月に三段目から再出発した。
- 2026年の現在:2026年9月場所は10勝5敗。11月場所では東前頭筆頭となり、上位陣との対戦が見込まれる位置まで復活した。
【朝乃山不祥事とは】キャバクラ通いと虚偽報告の真相
朝乃山の不祥事が表面化したのは、2021年5月19日です。大関として夏場所に出場していた朝乃山について、週刊文春の報道をきっかけに、日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反する外出が明らかになりました。
当時は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、力士や親方に対して不要不急の外出を控えるよう求める措置が取られていました。本場所を開催し、力士や関係者の感染リスクを抑えるためのルールであり、接待を伴う飲食店への出入りは、その趣旨に反する行動と受け止められました。
日刊スポーツなどの報道によると、協会のコンプライアンス委員会による調査では、朝乃山が2021年1月の初場所前、3月の春場所前と開催中、5月の夏場所前など、外出規制期間中に計10回キャバクラに通っていたことが判明しました。また、2020年11月場所前までの外出規制期間中にも、会食を3回行っていたと報じられています。
問題をさらに深刻にしたのが、協会への説明です。2021年5月19日の最初の聞き取りでは、朝乃山は報道について「事実無根」と説明しました。しかし、同日の再度の聴取で一転して事実を認め、翌20日には夏場所12日目から休場しました。
つまり、朝乃山不祥事の核心は、単なるキャバクラ通いだけではありません。感染対策のために設けられたルールに繰り返し違反したことに加え、協会の調査に対して当初は事実を否定したことが、信頼を大きく損なう結果につながりました。
大関は、相撲の実力だけでなく、角界を代表する立場としての自覚も求められる地位です。日本相撲協会のコンプライアンス委員会は、こうした立場と虚偽報告を重く見て、厳しい処分を求めました。
【時系列で整理】不祥事の発覚から6場所出場停止まで
朝乃山の不祥事は、発覚から処分決定まで約3週間で進みました。その後は約1年間にわたる出場停止を経て、三段目からの再出発、十両復帰、幕内復帰へと続きます。主要な出来事を時系列で整理すると、次のとおりです。
| 時期 | 出来事 | 意味・結果 |
|---|---|---|
| 2021年5月19日 | キャバクラ通いが報じられ、再度の聴取で事実を認める | 協会への当初の説明も問題視される |
| 2021年5月20日 | 夏場所12日目から休場 | 謹慎に入り、場所の途中で土俵を離れる |
| 2021年6月11日 | 日本相撲協会が懲戒処分を決定 | 6場所出場停止、6カ月間の報酬50%減額 |
| 2021年7月~2022年5月 | 6場所連続で出場停止 | 大関から陥落し、番付も大きく下降 |
| 2022年7月 | 西三段目22枚目で復帰 | 7戦全勝で三段目優勝 |
| 2023年1月 | 十両に復帰 | 14勝1敗で十両優勝 |
| 2023年5月 | 幕内に復帰 | 再び幕内力士として土俵に立つ |
| 2024年7月 | 左膝前十字靱帯断裂の大けが | 長期休場を余儀なくされる |
| 2025年3月 | 三段目21枚目で復帰 | 7戦全勝で三段目優勝 |
| 2025年9月・11月 | 十両で2場所連続12勝3敗 | 2026年1月の幕内復帰を決める |
| 2026年9月 | 東前頭6枚目で10勝5敗 | 終盤まで優勝争いに加わり、九州場所で東前頭筆頭に昇進 |
この年表で押さえておきたいのは、処分による番付降下と、その後のけがによる再転落は、別々の出来事だという点です。2022年の三段目降下は主に出場停止処分の結果でした。一方、2024年以降の長期休場と2025年の三段目からの再出発は、左膝の大けがが大きく影響しています。
朝乃山は2021年の不祥事だけで力士人生を終えたわけではありません。処分を受けて土俵を離れた期間を乗り越えた後も、けがという別の壁に直面しながら、番付を一段ずつ上げてきました。
【なぜ大関から陥落した?】6場所出場停止と日本相撲協会の懲戒処分
日本相撲協会は2021年6月11日の臨時理事会で、朝乃山に6場所出場停止と6カ月間の報酬50%減額の懲戒処分を決定しました。日刊スポーツなどの報道によれば、当時の協会の処分としても極めて重い内容でした。
大関陥落には、処分だけでなく、当時の番付制度と本場所の成績が関係しています。朝乃山は2021年3月場所で負け越しており、5月場所は大関の地位を維持するうえで重要な場所でした。しかし、5月場所の途中で休場し、負け越しが確定。翌7月場所は出場停止となったため、大関の地位を維持できませんでした。
通常、大関が2場所連続で負け越すと関脇へ陥落します。陥落直後の場所で関脇として10勝以上を挙げれば大関へ復帰できる制度がありますが、朝乃山はその機会を出場停止によって失いました。その後も出場停止が続いたことで、番付は三段目まで下がりました。
ここで重要なのは、6場所出場停止と大関陥落は、同じ意味の処分ではないということです。出場停止は協会が決定した懲戒処分であり、大関陥落は本場所の成績と番付制度によって生じた結果です。両者が重なったため、朝乃山は短期間で大関から三段目へと転落することになりました。
また、朝乃山は処分決定前に引退届を提出していましたが、日本相撲協会はその場では受理しませんでした。今後、程度を問わず協会に迷惑をかける行為があった場合には引退届を受理することなどを条件に、今回は引退を回避する形となりました。協会が再起の機会を残す一方、厳しい条件を付けたことも、この処分の特徴です。
処分の重さを理解するには、違反回数だけでなく、当時の感染対策の厳しさ、大関という立場、そして協会の聞き取りに対する説明を併せて考える必要があります。特に虚偽報告は、組織が事実関係を調べ、規則を適用するための前提を損なう行為として重く受け止められました。
【高砂親方の処分と錦島親方の退職】部屋の管理責任も問われた
朝乃山の不祥事では、本人だけでなく、高砂部屋の指導・監督体制も問題になりました。日本相撲協会は師匠の高砂親方にも、3カ月間の報酬20%減額の懲戒処分を科しています。
当時の高砂親方は元関脇・朝赤龍です。師匠として弟子を監督する責任が問われ、処分決定後には協会を通じて謝罪のコメントを発表しました。デイリースポーツが報じたコメントでは、自覚のない行動をさせてしまったことについて「師匠として私の不徳の致すところ」と述べ、朝乃山とともに信頼回復に努める姿勢を示しました。
さらに、朝乃山の入門時に師匠を務めていた先代高砂親方、元大関・朝潮の錦島親方も、ガイドライン違反をめぐって責任を問われました。調査では、外出規制期間中に知人らと飲酒を伴う会食を繰り返し、付け人を同席させた飲食もあったことなどが報じられています。
錦島親方は2021年6月に退職願を提出し、同月10日に受理されました。協会のコンプライアンス委員会は、本人の規則違反だけでなく、指導者としての自覚や部屋の管理体制についても厳しい見方を示しました。
日刊スポーツの報道では、先代師匠が部屋に住み続ける一方、現師匠の高砂親方が自宅から通う形になっていたことも、監督体制を考えるうえで論点になりました。ただし、部屋の運営上の問題が指摘されたことと、朝乃山本人の違反や虚偽報告に対する責任は、分けて考える必要があります。
この一件は、力士本人の行動管理だけではなく、親方がルールを守り、弟子の行動を適切に監督できるかという角界全体のコンプライアンス問題にも発展しました。朝乃山への処分と錦島親方の退職が同時期に決まったことは、その影響の大きさを示しています。
【三段目から幕内復帰】朝乃山の復帰後の成績と2度の転落
朝乃山は2022年7月場所、西三段目22枚目で復帰しました。約1年間、本場所に出場できなかった力士が再び土俵に立ち、初場所から7戦全勝で三段目優勝を果たしたことは、復帰への大きな一歩となりました。
2023年1月場所では十両に復帰し、14勝1敗で十両優勝。さらに同年5月場所には幕内へ戻りました。処分前には大関を務めていた実力者とはいえ、出場停止によって番付を大きく落とした後、幕内まで戻るには、各階級で勝ち星を積み重ねる必要がありました。
ところが、2024年には再び試練が訪れます。同年5月場所は小結として迎えたものの、右膝の故障で全休。7月場所では左膝前十字靱帯断裂の大けがを負い、5日目から休場しました。その後も休場が続き、2025年3月場所に西三段目21枚目で復帰することになります。
2025年3月場所では再び7戦全勝で三段目優勝を達成。その後、幕下で6勝1敗、5勝2敗と勝ち越し、2025年9月場所には十両へ復帰しました。十両では9月場所、11月場所ともに12勝3敗を記録し、2026年1月場所の幕内復帰を決めました。
2025年12月の日刊スポーツなどの報道では、朝乃山は幕内から三段目まで2度転落しながら、いずれも幕内に返り咲いた史上初の力士として紹介されています。最初の転落は2021年の不祥事に伴う出場停止、2度目の転落は主に2024年の大けがによる長期休場が原因でした。
2026年に入ってからも、朝乃山は幕内で勝ち越しを続けています。日本相撲協会の公式プロフィールによると、2026年の成績は1月場所が9勝6敗、3月場所が8勝7敗、5月場所が7勝5敗3休、7月場所が9勝6敗、9月場所が10勝5敗でした。5月場所は途中休場となりましたが、7月と9月には再び勝ち越しを記録しています。
これらの成績は、単に幕内へ戻ったというだけではなく、番付を維持しながら上位を目指す段階に進んだことを示しています。一方で、幕内復帰と大関復帰は別の目標です。大関への再昇進には、三役付近での継続的な好成績など、さらに高い水準の結果が求められます。
【2026年最新】朝乃山の現在と優勝争い、世間の評判
2026年10月28日現在、朝乃山は幕内力士として現役を続けています。直近の9月場所は東前頭6枚目で10勝5敗。日本相撲協会が発表した11月の九州場所の番付では、5枚上昇して東前頭筆頭となりました。九州場所は11月8日に初日を迎える予定です。
2026年9月場所は、朝乃山にとって復活を印象づける場所となりました。再入幕後初の2桁勝利を記録し、終盤まで優勝争いに加わりました。しかし、14日目に関脇・藤ノ川に敗れ、優勝争いから脱落。千秋楽も敗れ、最終成績は10勝5敗でした。富山テレビなどの報道では、前半戦から中盤戦にかけての取りこぼしが課題として取り上げられています。
したがって、2026年の朝乃山については「優勝争いに加わった実績がある」と評価できる一方、「優勝を果たした」「大関復帰が決まった」とするのは正確ではありません。9月場所では優勝争いに残るところまで進みましたが、優勝には届いておらず、11月場所の結果もまだ出ていません。
九州場所で東前頭筆頭となったことは、さらなる上昇を目指すうえで重要な節目です。幕内上位では横綱や大関、三役との対戦が見込まれ、下位の番付で勝ち越すこととは異なる難しさがあります。上位力士との対戦でどれだけ白星を重ねられるかが、三役復帰への判断材料になります。
朝乃山の世間の評判を考える際には、不祥事発覚時の批判と、復帰後の相撲に対する評価を分けて見る必要があります。2021年当時は、感染対策のルールに違反したことに加え、大関として模範となるべき立場で虚偽の説明をしたことが強く問題視されました。親方にも処分が及んだことで、本人の自覚だけでなく、指導体制への批判も広がりました。
一方、復帰後は三段目優勝、十両優勝、幕内への返り咲き、そして2026年秋場所の10勝という結果を積み重ねています。こうした成績は、競技者としての実力や再起への努力を評価する材料です。ただし、土俵で結果を出したことと、過去の行為によって損なわれた信頼がすべて回復したことは同じではありません。
朝乃山を評価する際には、少なくとも3つの視点が必要です。第一に、2021年の違反と虚偽報告に対する責任。第二に、処分後に土俵へ戻り、けがも乗り越えてきた競技者としての実績。第三に、幕内上位で継続的に勝ち星を挙げ、三役や大関復帰を目指せるかという今後の成績です。これらを切り分けることで、過去の不祥事だけで現在を判断することも、復帰の実績だけで過去を帳消しにすることも避けられます。
【朝乃山不祥事】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝乃山の不祥事は何をしたのですか?
A1:2021年、新型コロナウイルス対策の外出規制期間中にキャバクラへ通い、日本相撲協会の聞き取りに当初は事実を否定しました。その後、事実を認め、ガイドライン違反と虚偽報告が問題となりました。
Q2:朝乃山が大関から陥落した理由は何ですか?
A2:2021年3月場所で負け越した後、5月場所を途中休場し、負け越しが確定したためです。さらに、7月場所から6場所出場停止となり、大関へ復帰するための機会も失いました。
Q3:朝乃山は三段目から幕内に復帰できたのですか?
A3:はい。2022年7月に三段目で復帰し、2023年5月に幕内へ戻りました。その後、2024年の左膝の大けがで再び番付を落としましたが、2025年3月に三段目で復帰し、2026年1月に再入幕を果たしています。
Q4:朝乃山は2026年に優勝しましたか?
A4:2026年9月場所は10勝5敗で、終盤まで優勝争いに加わりましたが、14日目に敗れて優勝争いから脱落しました。10月28日現在、2026年の幕内優勝は確認されていません。
Q5:朝乃山は2026年現在、どの番付にいますか?
A5:2026年9月場所は東前頭6枚目でした。11月の九州場所では東前頭筆頭に上がっています。九州場所は11月8日に初日を迎える予定で、今後の成績次第では三役復帰を目指す位置に近づく可能性があります。
まとめ:朝乃山の再起を判断する3つの基準
朝乃山の不祥事は、2021年のキャバクラ通いと新型コロナウイルス対策ガイドライン違反、そして協会への虚偽報告によって深刻化しました。6場所出場停止と報酬減額の懲戒処分を受け、大関から陥落。錦島親方の退職や高砂親方への処分にも発展し、高砂部屋の指導・監督体制も問われました。
それでも朝乃山は2022年に土俵へ戻り、三段目、十両、幕内と番付を上げてきました。2024年には左膝の大けがに見舞われましたが、2025年に再び三段目優勝を果たし、2026年1月には幕内復帰。9月場所では10勝5敗を挙げ、11月場所で東前頭筆頭に昇進しています。
今後の朝乃山を評価する基準は、次の3点です。
- 競技面:幕内上位で勝ち越しを続け、三役復帰に必要な成績を積み重ねられるか。
- 継続性:過去に大きな影響を与えたけがを乗り越え、安定して本場所に出場できるか。
- 信頼面:過去の不祥事を教訓とし、競技者としての自覚と責任ある行動を継続できるか。
2026年の朝乃山は、単に過去の不祥事から復帰した力士という段階を越え、幕内上位で再び存在感を示そうとしています。秋場所の10勝はその前進を裏付ける結果ですが、優勝や大関復帰が約束されたわけではありません。九州場所での上位陣との対戦、今後の安定した成績、そして日々の行動を通じた信頼の積み重ねが、朝乃山の再起を判断するうえでの焦点になります。 (出典: 朝乃山不祥事(Yahoo!ニュース))