末日聖徒イエス・キリスト教会とは、1830年にアメリカで成立したキリスト教系の宗教団体です。「モルモン教」という通称で広く知られ、聖書に加えて「モルモン書」を聖典とし、イエス・キリストへの信仰、現代の預言者による啓示、家族の永続性などを重視しています。一方、伝統的なキリスト教との教義の違い、独自の戒律、献金制度、神殿での儀式などから、どのような宗教なのか疑問を持つ人も少なくありません。
2026年の最新公表統計では、世界の教会員数は約1,789万人に達しています。日本でも活動が続いており、礼拝への参加や宣教師との面談を通じて教えを知ることができます。この記事では、ジョセフ・スミスによる創設の経緯、聖書とモルモン書の関係、モルモン教と呼ばれない理由、信仰生活、費用、評判、そして「カルトなのか」という疑問まで、公式資料や歴史的記録を踏まえて解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 宗教の基本:1830年にアメリカで成立し、聖書とモルモン書を聖典とするキリスト教系の宗教団体。
- 独自の特徴:現代の預言者、神殿での儀式、飲酒・喫煙・コーヒー・茶を避ける生活規範、収入の10分の1を目安とする什分の一献金など。
- 2026年の現状:世界の教会員数は約1,789万人。評価を考える際は、信者の体験だけでなく、歴史的な問題や組織運営の透明性も確認することが大切。
【まず知りたい】末日聖徒イエス・キリスト教会とは?一般的なキリスト教との違い
末日聖徒イエス・キリスト教会は、英語では「The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints」と表記されます。アメリカのユタ州ソルトレークシティーに本部を置き、世界各地で礼拝、宣教、教育、福祉活動などを行っています。
教会自身は、イエス・キリストを中心とする信仰を掲げ、自らをイエス・キリストの教会と位置づけています。その一方、教義には独自性があり、ニカイア信条などを基準とするカトリックや正教会、プロテスタントの多くとは神についての理解や聖典の範囲が異なります。
信仰の中心にあるのはイエス・キリスト
教会が重視するのは、イエス・キリストの贖罪と復活、罪の悔い改め、洗礼、神との契約、死後の復活などです。家族や地域社会を大切にすること、隣人への奉仕、聖書を学ぶことも信仰生活の重要な要素とされています。
ただし、教会の教えは一般的なキリスト教と完全に同じではありません。特に違いが表れるのが、神の性質と聖典の考え方です。
- 神について:父なる神、イエス・キリスト、聖霊は目的において一致するものの、それぞれ区別される存在だと教えています。
- 聖典について:聖書だけでなく、モルモン書、教義と聖約、高価な真珠も聖典として扱います。
- 啓示について:神からの啓示は聖書の時代だけで終わったのではなく、現代にも続くと信じています。
- 死後の世界について:復活や救いを重視し、家族が永遠に結びつくための神殿儀式を行います。
教会の公式解説「神格について」では、父なる神とイエス・キリストは肉体を持つ別個の存在であり、聖霊は霊的な存在だと説明されています。この点は、父・子・聖霊を一つの神として理解する伝統的な三位一体論との大きな相違です。
アメリカ議会図書館の宗教史資料も、この宗教が聖書に基づく多くのキリスト教的信仰を共有する一方、聖書以後の啓示に基づく独自の教義を持つと説明しています。そのため、「キリスト教なのか」という問いには、教会自身の自己認識と、他のキリスト教教派による教義上の評価を分けて考える必要があります。
「末日聖徒」という言葉の意味
「末日聖徒」の「末日」は、世界の終わりだけを意味する言葉ではありません。イエス・キリストの再臨に備える時代という宗教的な意味合いがあります。「聖徒」は、神を信じ、その教えに従おうとする人々を指します。
教会では、イエス・キリストの教会が初期キリスト教の時代から失われた後、ジョセフ・スミスを通じて回復されたという考え方を「回復」と呼びます。これが、既存のキリスト教とは異なる宗教的な自己理解の土台になっています。
【成立から現在まで】ジョセフ・スミスとモルモン書をめぐる歴史
末日聖徒イエス・キリスト教会の歴史は、19世紀初頭のアメリカにさかのぼります。創設者のジョセフ・スミスは1805年に生まれ、宗教的な問いを抱くなかで神から啓示を受けたと主張しました。その経験と、後に出版されたモルモン書が、新しい宗教運動の出発点となります。
1820年の最初の示現と1830年の教会設立
教会の公式史によると、スミスは1820年ごろ、どの教会に加わるべきか悩んで祈った際、父なる神とイエス・キリストが現れたと証言しました。この出来事は「最初の示現」と呼ばれ、教会が掲げる回復の物語において重要な意味を持ちます。
その後、スミスは1823年にモロナイという天使から古代の記録について知らされ、1827年に金属板を受け取ったと説明しました。教会の信仰によれば、スミスは神の力によってその記録を翻訳し、モルモン書として世に出しました。
モルモン書は1830年3月に出版され、同年4月6日、ニューヨーク州フェイエットで教会が正式に組織されました。当初の教会名は「キリストの教会」で、その後、名称の変更を経て、1838年に現在の英語名称に相当する名前が定められました。
迫害と移住、ユタ州への定着
教会の拡大は、常に順調だったわけではありません。独自の聖典や啓示に対する宗教的な反発、地域社会との対立、政治的な緊張などを背景に、初期の信者たちは移住を繰り返しました。
1844年、ジョセフ・スミスはイリノイ州カーセージで拘束中に殺害されました。その後、ブリガム・ヤングの指導のもと、多くの信者が西へ移動し、現在のユタ州に教会の中心地が築かれました。
歴史を理解するうえでは、迫害を受けた宗教運動という側面だけでなく、教会が社会や国家と衝突した経緯も見る必要があります。19世紀の複婚制度や人種に関する制限は、現在の教会を評価する際にも議論される重要な歴史的問題です。
歴史の重要な節目
- 1820年:教会の説明によると、ジョセフ・スミスが最初の示現を経験。
- 1827年:モルモン書の原記録となる金属板を受け取ったとスミスが証言。
- 1830年3月:モルモン書の初版が出版される。
- 1830年4月6日:ニューヨーク州で教会が正式に組織される。
- 1844年:ジョセフ・スミスが殺害される。
- 1890年:教会指導者ウィルフォード・ウッドラフが複婚の終結につながる宣言を発表。
- 1978年:黒人男性の神権任命などに関する人種上の制限が撤廃される。
- 2018年:教会が正式名称の使用を改めて強調し、「モルモン教会」という通称の使用を控えるよう求める。
- 2026年:2025年末時点の世界統計が公表され、教会員数は約1,789万人と報告される。
この年表は、教会の公式歴史資料、公式声明、2026年公表の統計報告に基づいています。特に複婚制度と人種上の制限は、過去の教えと現在の方針を区別して理解することが大切です。
【一目で比較】モルモン書・教義・礼拝・神殿は何が違う?
末日聖徒イエス・キリスト教会を理解するうえで欠かせないのが、モルモン書と神殿の役割です。日曜日に集会所で行う礼拝と、特別な儀式を執り行う神殿は、同じ宗教活動でも目的や参加条件が異なります。
モルモン書とは何か
モルモン書は、教会が聖書と並ぶ聖典として扱う宗教文書です。教会の説明によれば、古代アメリカ大陸に住んだ人々と預言者たちの記録をまとめたもので、イエス・キリストの教えを証言することを目的としています。
物語には、エルサレムを離れてアメリカ大陸に渡った人々や、その子孫の歴史、宗教的な対立、イエス・キリストの復活後の教えなどが登場します。教会員は、この書物を単なる歴史物語ではなく、神から与えられた聖典と受け止めています。
一方、金属板の記録や古代アメリカ大陸の物語をどのように歴史的に評価するかは、信仰上の主張と、考古学・歴史学による検証を分けて考える必要があります。モルモン書を聖典として受け入れることは、教会の信仰を特徴づける大きな要素です。
一般的なキリスト教との比較
| 比較項目 | 末日聖徒イエス・キリスト教会 | 伝統的なキリスト教の主流教派 |
|---|---|---|
| イエス・キリスト | 神の子、救い主として信仰の中心に置く | 神の子、救い主として信仰の中心に置く |
| 神の理解 | 父なる神、イエス・キリスト、聖霊を区別される存在と理解 | 多くの教派では三位一体の教義を採用 |
| 聖典 | 聖書、モルモン書、教義と聖約、高価な真珠 | 基本的に旧約聖書と新約聖書 |
| 啓示と指導者 | 現代の預言者や使徒による継続的な啓示を重視 | 教派によって異なるが、同じ意味での現代の預言者制度は一般的ではない |
| 日曜日の礼拝 | 聖餐式、聖書などの学習、説教、祈り | 礼拝、聖書朗読、説教、祈りなど。儀式は教派により異なる |
| 神殿での儀式 | 死者のためのバプテスマ、家族の結び固めなどを行う | 同じ形式の儀式は一般的ではない |
| 健康に関する規範 | 飲酒、喫煙、コーヒー、茶などを避ける教えがある | 教派によって考え方が異なり、共通の禁止規則はない |
この比較は大まかな傾向を示すもので、すべてのキリスト教教派に当てはまるわけではありません。教会は自らをキリスト教と位置づけていますが、三位一体論や聖典の範囲が異なるため、伝統的なキリスト教の教義を基準とする教派からは、神学的に区別されることがあります。
礼拝と神殿活動の実態
通常の日曜日には、地域の集会所で礼拝が行われます。聖餐式ではパンと水を用い、イエス・キリストを記念します。そのほか、聖書やモルモン書などの学習、説教、祈り、子どもや青少年向けの活動があります。
2026年の教会公式資料では、日曜日の集会は聖餐会を1時間、その後に日曜学校や年齢・役割に応じたクラスを組み合わせる形式が案内されています。一般的には約2時間を目安に考えるとよいでしょう。
神殿は、通常の集会所とは役割が異なります。教会員は神殿で、死者のためのバプテスマや、夫婦・家族が永遠に結びつくことを象徴する結び固めなど、特別な儀式を行います。神殿に入るには、洗礼を受けた会員であることに加え、面接などを通じて発行される有効な神殿推薦状が必要です。
そのため、教会に関心を持った人が日曜日の礼拝に参加することと、神殿の内部で儀式に参加することは同じではありません。神殿の公開見学会などが行われる場合は、儀式への参加資格とは別に見学できる機会があります。
【暮らしの実態】戒律・食生活・献金・入会方法を解説
教会員の生活には、健康、道徳、家族、奉仕、献金などに関する規範があります。外部から見ると独特に感じられる習慣もありますが、教会員にとっては信仰を日常生活に反映するための実践です。
「知恵の言葉」と呼ばれる健康規範
「知恵の言葉」は、1833年にジョセフ・スミスが受けたとされる啓示に由来する健康上の教えです。教会の公式解説では、アルコール飲料、たばこ、コーヒー、茶を避けることが明確に示されています。また、違法薬物や有害・依存性のある物質の使用も戒められています。
食生活については、穀物、果物、野菜などを大切にし、肉は節度をもって食べるよう教えられています。一般的な意味での完全菜食主義ではなく、すべての肉類を禁止する戒律でもありません。
なお、カフェインそのものが一律に禁止されているわけではありません。コーヒーや茶を避けることが基本的な規範であり、飲み物に含まれるカフェインの有無だけで判断するのは正確ではありません。
什分の一献金はいくら必要なのか
教会には「什分の一献金」と呼ばれる制度があります。公式ハンドブックでは、収入の10分の1を神の教会にささげる献金として説明しており、収入がある会員は献金するよう教えられています。
たとえば、月収30万円を基準に単純計算すると、10分の1は3万円です。ただし、実際にどの金額を収入として扱うかは個人の状況や教会の説明を確認する必要があります。什分の一のほかに、断食献金や宣教活動などへの献金もあります。
一方、入会時に一律の入会金を支払う仕組みではありません。礼拝への参加そのものに入場料がかかるわけでもありません。献金を検討する場合は、金額の考え方、任意の献金との違い、家計への影響を理解し、自分の意思で判断することが重要です。
教会の公式ハンドブックでは、什分の一を納めているかどうかは神殿推薦状の面接項目にも含まれています。そのため、献金は単なる寄付にとどまらず、一定の宗教的な参加条件とも結びついています。
入会方法と洗礼までの流れ
教会に関心がある人は、地域の集会所を訪れたり、宣教師から教えの説明を受けたりして、信仰について学ぶことができます。一般的には、教義や生活上の規範を学び、自分の意思で信仰を受け入れたうえで洗礼を受ける流れになります。
- 教会を知る:礼拝への参加や宣教師との面談を通じて、教義や活動を確認する。
- 教えを学ぶ:イエス・キリスト、聖書、モルモン書、祈り、戒律などについて理解を深める。
- 意思を確認する:信仰や洗礼について考え、疑問点を質問する。
- 洗礼を受ける:教会の定める条件を満たし、本人の意思に基づいて洗礼と確認を受ける。
教会では、一般に8歳から洗礼を受けられると教えられています。乳幼児に洗礼を施す習慣はありません。成人が入会する場合も、本人が教えを学び、納得したうえで決めることが前提です。
入会を検討するなら、宣教師の説明だけで判断せず、献金や健康規範、家族観、神殿儀式、退会に関する考え方まで質問しておくと、入会後の生活を具体的に想像しやすくなります。
【評判を検証】良い評価と批判、カルトなのかという疑問
末日聖徒イエス・キリスト教会の評判は、信者本人の体験、地域社会との関係、宗教上の規範、歴史的な問題など、どの観点から見るかによって異なります。肯定的な体験があることと、組織に対する批判的な検討が必要であることは、両立します。
肯定的に評価されることがある点
教会の活動では、家族を重視する価値観、地域の会員同士の交流、奉仕活動、聖書や聖典を学ぶ機会などが大切にされています。定期的な集会や地域単位の活動を通じて、生活上のつながりや支援を得る人もいます。
また、宣教師による宗教教育や、人道支援、教育活動なども教会の活動に含まれます。こうした仕組みが、信仰を深める場やコミュニティーとして肯定的に受け止められることがあります。
ただし、こうした利点がすべての人に同じように感じられるとは限りません。共同体の結びつきが強い環境は、安心感につながる一方、集団の期待に応えなければならないという負担につながる場合もあります。
批判や議論の対象になってきた点
教会をめぐる批判や議論では、歴史的な複婚制度、人種に関する制限、性別による役割の違い、性的少数者をめぐる教え、献金や宣教活動への参加などが論点になります。
特に複婚制度について、教会は19世紀に実践していたことを公式の歴史資料で認めています。1890年にウィルフォード・ウッドラフが宣言を発表し、その後、複婚の廃止が進められました。現在、教会は複婚を禁止しており、複婚を実践する別の宗教団体とは区別されています。
人種に関しても、歴史を単純化することはできません。教会は19世紀半ばから1978年まで、黒人男性の神権任命や、黒人会員の一部の神殿儀式への参加を制限していました。1978年に制限が撤廃され、現在の公式資料では、黒い肌を神の不興や劣等性と結びつける過去の説明を否定しています。
こうした経緯は、教会の歴史を考えるうえで避けて通れません。現在の方針だけを見るのでも、過去の出来事だけで現在のすべてを判断するのでもなく、過去の制度、その影響、現在の公式見解を分けて確認することが重要です。
「カルトなのか」は何を基準に判断すべきか
「カルト」という言葉には、一般的な非難としての用法と、宗教社会学などで特定の宗教運動を論じる用法があります。統一的な定義があるわけではなく、珍しい教義や強い信仰心だけで、団体の危険性を判断することはできません。
客観的に見極めるには、教義への賛否とは別に、勧誘方法や組織運営、個人の自由が尊重されているかを確認する必要があります。
- 勧誘の透明性:団体名や目的、入会条件、生活上の規範を隠さず説明しているか。
- 金銭の扱い:献金の目的や基準が明確で、借金や生活費を犠牲にするよう圧力をかけられないか。
- 個人の自由:質問や異論を表明でき、集会や活動への参加を断れるか。
- 人間関係の自由:家族や友人との関係を一方的に断つよう求められないか。
- 退会の自由:信仰を続けないと決めたとき、脅迫や執拗な嫌がらせを受けずに離れられるか。
- 問題への対応:ハラスメントや不適切な行為の訴えについて、説明責任や被害者保護が確保されているか。
これらは特定の宗教だけに適用する基準ではありません。末日聖徒イエス・キリスト教会についても、公式に示されている教義や制度と、個々の会員や地域組織における実際の対応を分けて考える必要があります。教義に共感できないことと、組織が危険な行為を行っていると判断することは、同じではありません。
【2026年最新】末日聖徒イエス・キリスト教会の現在と日本での活動
2026年4月に公表された教会の2025年度統計報告によると、2025年12月31日時点の世界の教会員数は17,887,212人でした。世界各地で教会員の登録や宣教活動が続いており、神殿の建設・運営も活動の重要な柱となっています。
この数字は教会の登録会員数であり、毎週礼拝に出席する人の数と同じではありません。宗教団体の規模を評価する際には、登録会員数と実際の参加状況を区別することが大切です。
世界規模の主な統計
- 教会員数:17,887,212人
- ワード・支部:32,046
- 伝道部:451
- 2025年に洗礼を受けた改宗者:385,490人
- 稼働中の神殿:204
- 改修中の神殿:7
- 発表済みまたは建設中の神殿:172
これらは教会の2025年度統計報告に記載された数値で、会員数などは2025年末時点のデータです。宣教師数については、2026年中に更新された公式資料で別途集計されている項目もあるため、比較する場合は基準日をそろえる必要があります。
日本国内の活動状況
日本向けの教会公式「事実と統計」ページには、教会員数131,776人、ステーク22、ワードと支部の合計230、神殿4か所、伝道部7という数値が掲載されています。これらは同ページの掲載値であり、世界統計の2025年末という基準日と完全に一致するとは限らない点には注意が必要です。
日本では、地域の集会所で日曜日の礼拝を行うほか、宣教師による宗教教育、青少年向けの活動、家族歴史の調査、奉仕活動などが行われています。神殿についても、日本国内に複数の施設があり、会員の宗教活動を支えています。
2026年の状況を理解する際には、世界規模の数字だけでなく、日本の地域社会でどのような活動が行われているかを見ることも重要です。教会員数の多さは組織の規模を示しますが、それだけで個々の信者の信仰の強さや、教会に対する社会的評価まで判断できるわけではありません。
【末日聖徒イエス・キリスト教会とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:末日聖徒イエス・キリスト教会は、一般的なキリスト教と同じですか?
A1:イエス・キリストを救い主として信じる点では共通しますが、三位一体の理解、聖典の範囲、現代の預言者による啓示などに違いがあります。教会自身はキリスト教と位置づけていますが、伝統的なキリスト教の教義を基準とする教派からは、神学的に区別されることがあります。
Q2:なぜモルモン教と呼ばれなくなったのですか?
A2:「モルモン」はモルモン書に由来する通称です。教会は過去にこの呼び方を使用していた時期もありますが、2018年に正式名称の使用を改めて強調しました。イエス・キリストを信仰の中心とすることを明確にするため、正式名称の「末日聖徒イエス・キリスト教会」を使うよう求めています。
Q3:末日聖徒イエス・キリスト教会に入会すると費用がかかりますか?
A3:入会時に一律の入会金を支払う制度ではありません。ただし、教会は収入の10分の1を目安とする什分の一献金を教えています。献金は信仰上の重要な実践であり、神殿推薦状の面接にも関係するため、入会を考える場合は制度の内容を事前に確認するとよいでしょう。
Q4:末日聖徒イエス・キリスト教会はカルトですか?
A4:「カルト」という言葉だけで一律に判断することは適切ではありません。教義の独自性と、強制的な勧誘、金銭的な圧力、個人の自由の侵害などは分けて考える必要があります。教会の公式資料だけでなく、活動への参加が任意か、献金の説明が明確か、異論や退会の自由が尊重されるかなども確認してください。
Q5:モルモン教は今でも一夫多妻制を認めていますか?
A5:現在の末日聖徒イエス・キリスト教会は複婚を禁止しています。19世紀には複婚を実践していましたが、1890年の宣言を経て廃止が進められました。現在も複婚を実践する別の宗教団体が存在しますが、それらはこの教会とは区別されます。
まとめ:教義・歴史・生活実態を分けて判断する
末日聖徒イエス・キリスト教会は、1830年にジョセフ・スミスによって組織された、イエス・キリストへの信仰を中心とする宗教団体です。聖書とモルモン書を聖典とし、現代の啓示、神殿儀式、家族の永続性、健康規範、什分の一献金などに独自の特徴があります。
「モルモン教」という通称は広く知られていますが、教会は正式名称を使うよう求めています。また、一般的なキリスト教と共通する信仰がある一方、三位一体の理解や聖典の範囲などには明確な違いがあります。
教会を評価する際には、信者が得ている共同体の支えや奉仕活動だけでなく、複婚制度や人種上の制限といった歴史的な問題、献金や生活規範のあり方も確認する必要があります。歴史上の問題があったこと、現在の教会が方針を変更していること、個々の会員がどのような体験をしているかは、それぞれ別の観点です。
入会を考える人は、教義や儀式、献金、生活上の規範について十分に説明を受け、自分の価値観や生活に合うかを検討することが大切です。宗教への評価は、知名度や通称、肯定的・否定的な体験談だけで決めるのではなく、公式の説明、歴史的な記録、実際の活動、個人の自由が守られているかを総合して判断することが、理解への確かな出発点になります。 (出典: 末日聖徒イエス・キリスト教会とは(Yahoo!ニュース))