「お金か愛か、究極の選択をするならどちらを選ぶ?」。恋愛では愛情を大切にしたくても、結婚や将来の生活を考えると経済力も無視できません。実際、マイナビの調査では「お金」派が69.5%、「愛」派が30.5%という結果が報告されています。一方、結婚生活について男女500人に聞いた調査では、男性も女性も「愛情」が「お金」をわずかに上回りました。
この違いは、単にお金を好む人と愛を好む人がいるという話ではありません。何を質問したのか、誰を対象にしたのか、恋愛と結婚のどちらを想定したのかによって、答えは大きく変わります。2026年に公表された結婚観調査やリクルートブライダル総研の研究、独身研究家・荒川和久氏による年収別の分析も踏まえ、お金と愛情のどちらが幸せにつながるのかを検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- お金派69.5%・愛派30.5%:2015年11月に実施されたフレッシャーズ調べでは、お金を選んだ人が約7割を占めた。
- 結婚生活では愛情がわずかに優勢:男女500人調査では、男性の53%、女性の52%が愛情を重視した。
- 幸せを左右するのは両者のバランス:経済的な安定に加え、人柄・相性・価値観の一致、金銭感覚の共有が重要になる。
【お金か愛か】約7割がお金を選んだ調査結果、その理由とは?
お金と愛のどちらを大切にするかという問いで、広く知られているのが、マイナビ学生の窓口「フレッシャーズ」が紹介した調査です。調査時期は2015年11月で、対象は社会人男女371人。結果は「お金」258人(69.5%)、「愛」113人(30.5%)でした。
お金派は愛派の2倍以上に達しています。ただし、この数字は2015年に実施された調査の結果であり、2026年の日本人全体の意識をそのまま示すものではありません。また、質問は世の中で大切なものを選ぶ形式で、結婚生活に限定した調査とも異なります。
それでも、お金を支持する人が多かった背景には、生活に直結する切実な理由が見えてきます。
お金派が挙げる主な理由は、生活の安定、病気や失業への備え、将来への不安の軽減です。調査で紹介された回答には、「愛では生活できない」という考え方や、お金がなければ心の余裕を失い、人間関係にも影響が及ぶという趣旨の意見がありました。
家賃や住宅ローン、食費、光熱費、医療費など、生活を維持するには継続的な支出が必要です。収入が不足すれば、好きな相手と一緒にいても、日々の支払いに追われてしまいます。将来の出産や子育て、親の介護、老後の生活まで考えれば、経済的な安定を優先する考え方にも合理性があります。
一方、愛派の回答には、お金だけでは孤独を解消できない、愛情があれば二人で協力してお金を稼いだり貯めたりできる、といった考え方が見られました。高い収入や資産があっても、信頼できる相手がいなければ人生の満足度は高まらないと感じる人もいます。
ここで注目したいのは、お金派が必ずしも愛情を軽視しているわけではないことです。むしろ、愛情を長く維持するためにも、まず生活の土台が必要だと考えている人がいます。「愛では生活できない」という言葉の裏には、日常生活を守りたいという現実的な意識があるのです。
【結婚生活で大切なのは?】男女500人調査では愛情がわずかに優勢
お金派が約7割を占めた調査とは対照的なのが、保険相談サービスを提供する保険マンモス株式会社が2022年3月に実施した、男女500人を対象とするアンケートです。小学館の雑誌『サライ』公式サイトでも紹介されたこの調査では、結婚生活で大切なのはお金か愛情かを尋ねています。
回答者は男性250人、女性250人。結果は次のとおりでした。
- 男性:愛情53%、お金47%
- 女性:愛情52%、お金48%
男女ともに愛情が上回ったものの、差はわずかです。男性では6ポイント、女性では4ポイントの差にとどまり、どちらか一方が圧倒的に支持されたわけではありません。
お金派の理由としては、経済的に苦しいと喧嘩が増える、生活に余裕がないと相手を思いやる余裕も失われる、家族の安全や将来を守るにはお金が必要、といった意見が紹介されています。特に、子育てや日々の家計を考えると、愛情だけでは解決できない問題があるという認識がうかがえます。
対する愛情派は、気の合わない人と一緒に暮らしても疲れてしまう、好きな相手と楽しく生活したい、相手への愛情や尊敬が結婚生活を支える、といった考え方を重視します。
この調査が示すのは、結婚生活では愛情と経済力を完全に切り離して考えにくいという現実です。お金が不足すると、家計をめぐる不満が愛情を損なうことがあります。逆に、経済的に恵まれていても、会話や信頼、思いやりがなければ夫婦関係が満たされるとは限りません。
つまり、「お金か愛か」という二者択一の質問に答えることと、実際に結婚生活を営むことは別問題です。交際相手に対しては愛情を求めても、家計を共にする段階では経済的な安定を強く意識する人がいても不思議ではありません。
【調査を徹底比較】お金派69.5%と愛情派52〜53%はなぜ違う?
お金派が約7割という結果と、結婚生活では愛情派がわずかに上回る結果。数字だけを見ると矛盾しているようですが、調査対象や質問の違いを整理すると、両者は必ずしも対立しません。
お金か愛かというテーマを扱う際には、調査の実施時期、回答者の属性、質問の対象を確認する必要があります。代表的な調査を比較すると、次のようになります。
| 調査・出典 | 対象・時期 | 主な結果 | 読み取れること |
|---|---|---|---|
| フレッシャーズ調べ・マイナビ学生の窓口 | 社会人男女371人、2015年11月 | お金69.5%、愛30.5% | 人生全般でどちらを大切にするかという問いでは、お金が優勢だった。 |
| マイナビウーマン | 22〜34歳の働く女性139人、2017年掲載調査 | お金58.3%、愛41.7% | 女性のみを対象にした調査でも、お金を選ぶ人が過半数だった。 |
| 保険マンモス株式会社・サライ | 男女500人、2022年3月調査 | 男性は愛53%、女性は愛52% | 結婚生活という具体的な場面では、愛情が僅差で上回った。 |
| 荒川和久氏による既婚男女の調査 | 1都3県の20〜50代、2019〜2020年の結果平均 | 「結婚生活は愛だ」は男性25%、女性31%。「金だ」は男性24%、女性27% | 既婚者では愛情とお金の回答が近く、二者択一以外の回答も含む。 |
| フォーイットの結婚理由調査を紹介したLASISA | 全国の男女1,263人、2026年1月掲載 | 結婚理由の1位は「愛する人と一緒にいたいから」33.3% | 結婚を決める理由としては、愛情が引き続き大きな位置を占める。 |
マイナビウーマンが紹介した調査では、22〜34歳の働く女性139人のうち58.3%が「お金」、41.7%が「愛」を選びました。女性だけを対象にしても、お金を重視する傾向が見られた点は興味深いところです。ただし、回答者の年齢や属性、質問の形式が異なるため、ほかの調査と単純に優劣を比較することはできません。
さらに、荒川和久氏が紹介した既婚男女の意識調査では、「結婚生活は愛だ」と答えた割合は男性25%、女性31%、「結婚生活は金だ」は男性24%、女性27%でした。この調査では両者の合計が100%にならないため、愛かお金の二択だけで集計した調査とは異なります。
2026年1月にLASISAが紹介したフォーイットの調査では、結婚したい、または結婚した理由として「愛する人と一緒にいたいから」が33.3%で最多でした。これは人生で大切なものを選ぶ調査ではなく、結婚の動機を尋ねた調査です。お金を重視する意識があっても、結婚という選択の直接的な理由には愛情が挙がる場合があることを示しています。
こうした数字から分かるのは、調査によって結果が違うからといって、どれか一つが間違っているわけではないということです。人生全般の価値観、恋愛相手への希望、結婚生活で必要な条件、実際に結婚を決めた理由は、それぞれ別の問いなのです。
【結婚相手に求める条件】リクルートブライダル総研が示す人柄・相性・価値観
お金と愛情のどちらを選ぶかを考えるうえで、結婚相手に何を求めるのかも見逃せません。リクルートブライダル総研の結婚相手に求める条件に関する調査では、人柄、性格の良さ、価値観が合うことなど、相手の内面に関する項目が上位に挙がっています。
たとえば、同総研が公表した2012年の夫婦関係調査などの参考データでは、既婚男性が結婚相手に求める条件として、人柄が92.6%、性格の良さが89.6%、価値観が合うことが86.1%でした。これは既婚男性を対象とした複数回答の結果であり、女性や全体の回答割合と混同しないようにする必要があります。
こうした結果が示すのは、結婚相手を選ぶとき、収入だけでなく、日常を共にできる人柄や相性、価値観の一致が大切にされているということです。
ただし、内面が重要だからといって経済力が不要になるわけではありません。結婚後には、住居費や食費、保険料、貯蓄、子どもの教育費などを、二人で相談しながら負担していく必要があります。お金の使い方に関する考え方が大きく違えば、性格や相性が良くても、生活の中で衝突が起きる可能性があります。
大切なのは、相手の年収の高さだけを見るのではなく、収入に見合った生活を送れるか、貯蓄や支出について話し合えるか、働き方や家事分担を柔軟に考えられるかという点です。高収入であっても浪費が激しければ家計が安定するとは限らず、収入が平均的でも、計画的に家計を管理し、互いに協力できる二人なら生活の安定を築きやすくなります。
また、リクルートブライダル総研のパートナーシップ調査2024では、既婚者全体の60.3%が配偶者・パートナーとの関係に満足していると回答しました。同総研は、個人の尊重や役割の柔軟性を関係満足の鍵として挙げています。
この調査はお金と愛の二択を直接尋ねたものではありません。それでも、良好なパートナー関係を築くうえでは、一方が相手に合わせ続けるのではなく、互いを尊重し、家事や育児などの役割を話し合って調整することが重要だと読み取れます。
結婚相手に求める条件を考えるときは、「年収はいくらか」だけでなく、「お金の話を率直にできるか」「意見が違ったときに話し合えるか」「生活の変化に協力して対応できるか」という視点を加えることが、長期的な幸せにつながります。
【年収別に見る結婚観】荒川和久氏の分析と2026年の経済事情
お金か愛かという問いは、収入や世帯の経済状況によっても受け止め方が変わります。経済的な余裕がある人と、毎月の生活費に不安を抱えている人では、同じ質問に対しても、現実的に想像する場面が違うからです。
独身研究家・荒川和久氏は、既婚男女の結婚観を年収別に分析しています。PRESIDENT Onlineに掲載された2023年の記事で紹介された調査では、世帯年収が高くなるにつれて、既婚男性が「愛」を選ぶ割合は低下する傾向がある一方、既婚女性では世帯年収が高いほど「愛」を選ぶ割合が高まる傾向が見られました。
同氏の分析によると、世帯年収1,500万円以上の既婚女性では「愛」と答えた割合が47%に達しています。一方、世帯年収400万円未満では、既婚女性の「愛」の割合が男性より低いという結果でした。
この結果を、収入が高ければ愛情が深まる、あるいは収入が低ければ愛情が失われるという単純な因果関係として捉えることはできません。しかし、経済的な余裕が、日々の暮らしや気持ちのゆとりに関係する可能性は考えられます。
家計に余裕があれば、突然の出費に対応しやすくなり、休日や旅行など二人で過ごす時間も確保しやすくなります。反対に、収入が支出に追いつかない状態が続けば、節約や働き方をめぐる衝突が増えるかもしれません。お金そのものが愛情を生み出すのではなく、経済状況が二人の関係を取り巻く環境を変えるのです。
なお、荒川氏の調査は対象地域や年代が限られた分析であり、日本の既婚者全体を代表する統計と同じようには扱えません。年収別の傾向は、経済状況と結婚観の関係を考える一つの材料として読む必要があります。
2026年の調査にも、経済的な安定を重視する傾向が表れています。2026年4月に公表されたオカネコの結婚に関する意識調査は、同サービスの利用者530人を対象にしたもので、結婚相手の年収を重視した、または重視すると答えた割合は女性59.6%、男性20.2%でした。ただし、これはサービス利用者を対象とする調査であり、全国の男女全体の意識をそのまま示す数字ではありません。
また、2026年1月にLASISAが紹介したフォーイットの調査では、世帯年収500万円未満では「愛する人と一緒にいたいから」という結婚理由が特に高く、500万〜1,000万円では「経済的な安定のため」がやや多い傾向が報告されています。1,000万円以上では「世間体・社会的信用のため」や「親や周囲の期待」が高い傾向でした。
この調査は結婚の動機を尋ねたもので、愛とお金のどちらかを直接選ばせたものではありません。それでも、収入階層によって結婚に求めるものが異なる可能性を示しています。
年収が高いか低いかだけで、相手の愛情や結婚への真剣さを判断するのは適切ではありません。むしろ、現在の収入と支出を把握し、将来の生活費や働き方について具体的に話し合えることが、結婚後の不安を減らすための現実的な条件になります。
【プロの結論】お金か愛かで迷ったら確認したい5つの判断基準
ここまでの調査を踏まえると、お金か愛かという問いに、すべての人に当てはまる唯一の答えはありません。ただし、恋愛や結婚で後悔しないために、確認しておきたい判断基準はあります。
1.生活を維持できるだけの経済的な土台があるか。
収入の多さだけでなく、毎月の収支、貯蓄、借入金、今後の大きな支出を把握することが重要です。二人の収入を合わせても生活費が不足する場合は、住居費や支出の見直し、働き方の変更など、現実的な対策を話し合う必要があります。愛情があっても、お金の問題を放置すれば負担は積み重なります。
2.金銭感覚や将来設計が合っているか。
何にお金を使いたいのか、どれくらい貯蓄したいのか、住宅購入や子育てをどう考えるのか。こうした価値観が一致しているか、あるいは違いがあっても折り合いをつけられるかを確認しましょう。収入が高い相手を選ぶこと以上に、二人で家計を管理できるかどうかが重要になる場合もあります。
3.相手への愛情が、尊敬や信頼に支えられているか。
恋愛初期のときめきだけでは、長い結婚生活を判断できません。困ったときに協力してくれるか、約束を守るか、意見が異なっても相手を尊重できるか。日常の行動から信頼関係を築ける相手かどうかを見極めることが大切です。
4.お金の問題を隠さずに話し合えるか。
収入、貯蓄、借金、家族への援助、生活費の分担などは、話しにくいテーマかもしれません。しかし、結婚後に初めて問題が発覚すれば、信頼を損なうおそれがあります。すべての金銭感覚が一致する必要はありませんが、異なる点を率直に話し合い、納得できる方法を探せることが重要です。
5.どちらか一方だけが無理をしていないか。
片方が収入を支え、もう片方が家事や育児を多く担う家庭もあります。大切なのは役割が同じであることではなく、負担や貢献について二人が納得していることです。相手の収入に依存することを当然と考えたり、愛情を理由に一方へ負担を押しつけたりする関係では、長期的な不満が生まれやすくなります。
この5つの基準を考えると、お金を重視する人に向いているのは、将来の不安を減らすために具体的な家計計画を立てたい人です。一方、愛情を重視する人は、信頼や精神的なつながりを人生の中心に置きたい人だと考えられます。ただし、どちらを重視する人も、相手の価値観を理解し、現実的な生活設計を共有することは欠かせません。
反対に、収入だけで相手を判断することや、「愛があれば何とかなる」と経済的な問題を先送りすることには注意が必要です。年収が高いから誠実とは限らず、収入が少ないから愛情が薄いとも限りません。見るべきなのは、今の条件だけでなく、二人で問題を解決していける関係かどうかです。
お金は暮らしを守るための手段であり、愛情は二人が一緒に生きていく意味や支えになります。どちらか一方だけを選ぶのではなく、経済的な安定と心のつながりを両立できる相手を探すことが、現実的な判断基準になります。
【お金か愛か】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:お金か愛か、結局どちらが大切ですか? A1:一律の正解はありません。生活費や将来への不安が大きい状況では経済的な安定が優先されやすく、精神的なつながりを重視する人は愛情を大切にします。結婚を考える場合は、生活を維持できる収支と、互いを信頼できる関係の両方を確認することが重要です。
Q2:お金派69.5%・愛派30.5%という数字は、2026年の最新調査ですか? A2:いいえ。この数字は、2015年11月に実施されたフレッシャーズ調べの社会人男女371人の回答に基づいています。2026年の日本人全体の意識を示す最新統計ではありません。調査対象や質問の違いによって結果は変わるため、数字を読む際には実施時期と調査条件の確認が必要です。
Q3:結婚相手を選ぶとき、年収と性格のどちらを重視すべきですか? A3:年収と性格は、どちらか一方だけで判断するよりも、生活の安定と長期的な相性の両面から考えることをおすすめします。収入が高くても金銭感覚が合わなければ衝突が起きる可能性があり、性格が合っていても生活費が不足すれば大きな負担になります。人柄、相性、価値観、家計管理への姿勢を総合的に確認しましょう。
まとめ:お金と愛情の両立が幸せな結婚への近道
お金か愛かという問いでは、フレッシャーズ調べでお金派69.5%、愛派30.5%という結果が報告されました。一方、保険マンモス株式会社による男女500人の結婚生活調査では、男性の53%、女性の52%が愛情を選んでいます。異なる結果が出た背景には、質問の内容や調査対象の違いがあります。
リクルートブライダル総研の調査では、人柄や性格、価値観の一致などが結婚相手に求める条件として上位に挙がり、荒川和久氏による分析や2026年の結婚観調査からも、経済状況と結婚への意識が複雑に関係していることがうかがえます。
「愛では生活できない」という現実も、「お金があっても愛情がなければ満たされない」という考え方も、どちらも無視できません。経済的な安定は暮らしを支え、愛情や信頼は二人の関係を支えます。
2026年に結婚やパートナー選びを考えるなら、相手の年収や恋愛感情だけで判断するのではなく、お金の使い方、将来設計、互いへの尊重、困難に直面したときの協力姿勢まで確認してみてください。お金か愛かという二択に答えを求めるよりも、二人にとって必要な経済的安定と愛情のバランスを見つけることが、長く幸せに暮らすための現実的な一歩です。 (出典: お金 か 愛 か(Yahoo!ニュース))